「シンデレラマン」
マーク・セラシーニ(著) 井上篤夫(訳) 竹書房文庫
強力な右ストレートを武器に、将来のチャンピオンと目される新進気鋭のボクサー、ジム・ブラドック。家では愛する妻のメイと3人の子ども達に囲まれ、幸せと希望に満ち溢れていた。
しかし、1929年にアメリカを襲った大恐慌によりジムは家と財産を失い、頼みのボクシングでもケガのため敗戦を重ねる。そして、遂にボクサーのライセンスまで剥奪されてしまう。
失業者となったジムは家族の生活を守るため、過酷な肉体労働で必死に日銭を稼ぐが、暮らしは日ごとに切迫していく。そんな時、世界ヘビー級2位の強豪選手との試合が持ちかけられる。
ジムは試合の報酬で家族を救うため、まったく勝算のない一試合だけのカムバックを喜んで受け入れる。そして、運命の一夜、まさかの勝利を飾るジム。
それは大恐慌で打ちひしがれたアメリカ国民に勇気と希望を与える記念すべき幕開けとなった。